はじめに  

戦国武将のセカンドオピニオン  

戦国CRM
判断を学ぶ戦国武将の
セカンドオピニオン
 
1,crm,迷う
第一章
CRMはなぜ迷うのか
 
2,crm,判断
第二章
三英傑の判断
 
3,crm,自社,診断
第三章
徳川式 自社診断

はじめに

戦国武将のセカンドオピニオン

戦国CRM
判断を学ぶ戦国武将の
セカンドオピニオン
1,crm,迷い
第一章
CRMはなぜ迷うのか

2,crm,判断
第二章
三英傑の判断

3,crm,自社,診断
第三章
徳川式 自社診断

Introduction

はじめに

戦国武将の仕事はCRMだった?


CRMという言葉には、なぜこうも「アレもコレもやらねばならない感じ」が漂うのでしょうか。顧客データの集計と分析、具体策の企画・制作・実行、その結果検証と改善……。取り組めば取り組むほど、慌ただしさが増して会議は長くなり、現場は準備の遅れで防戦一方。気づけば、その光景はまさに「戦国時代」の様相です。

 

D2Cビジネスの現場でCRMに長く関わっていると、規模も業種もまったく違う企業が、なぜか同じところで立ち止まってしまう場面に何度も遭遇します。システムツールは導入され、データも分析できる。実行する施策の選択肢も、だいたい出そろっている。それでも、「次に、どうすべきか」が決まらないのです。会議では資料が丁寧に準備され、実績や各種の分析資料も揃っている。ところが、いちばん大切な最終判断だけが、「次回までの宿題」「決定打が見つかるまで従来通り」として先送りされていきます。

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先送りの原因をたどっていくと、その奥には「そもそも、その施策は必要なのか」「もっと効果的な方法があるのではないか」という、議論の前提そのものへの迷いがあります。正しいことを積み上げてきたはずなのに、いつの間にか「どれも正しく見えて、決められない」状態に陥っている。

 

この構造に気づいたとき、ふと私の頭に浮かんだのが戦国時代の武将たちでした。限られた兵力、限られた資金、限られた時間。状況を完全に把握することは難しく、判断を誤れば一瞬で形勢が崩れる。それでも決断を先送りすれば、戦況は悪くなる一方です。
もちろん、戦国武将たちには兵力データベースがあったわけでも、分析ツールを持っていたわけでもありません。それでも彼らは、混乱の中で情報を集め、判断を下し続け、生き抜いてきました。とりわけ名を残す武将ほど、限られた情報の中で「どこまで戦えるのか」を見極めた上で、次の一手を選んでいたのです。こうして見ると、戦国武将と私たちのCRMが置かれている構造は、驚くほど似ています。

 

しかし、現代のCRMには決定的な違いがあります。データはある。分析環境も整っている。それにもかかわらず、「どこまで戦えるのか」が分からないまま戦っている。
例えば、F2転換ひとつをとってもそうです。1年後にいくら回収できるのか。それならば、あといくら投資してもよいのか。転換施策をどこまで続けるべきなのか。本来、こうした判断の前提があるはずです。しかし現実には、その前提が曖昧なまま「効率が悪いからやめる」「とりあえず現状を踏襲する」といった意思決定が繰り返されています。

 

この状態に心当たりがあるなら、それはすでに「負ける戦」に入っている可能性があります。攻めることもやる。守ることもやる。関係も作る。分析も進める。すべてを同時にやろうとして、結果的にどの戦い方も中途半端になる。これが、「分かっているのに上手くいかない」CRMの正体です。問題は、正解が分からないことではありません。どの戦い方を選ぶかを決めていないこと、そして、その判断を支える情報が整理されていないことです。

 

本書では、CRMを次のように再定義します。CRM:Customer Retention Management「顧客の継続利用を最大化するマネジメント」

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どの顧客に、どのタイミングで、どれだけ投資するのか。その判断の積み重ねによって、継続的に選ばれ続ける状態をつくる。それが、CRMの本質です。つまり、問われているのは「何をやるか」ではありません。どの判断を選ぶかです。
本書では、その違いを明らかにするために、戦国武将たちをあえて戦わせます。同じCRMの課題に対して、異なる戦い方をぶつける。どちらも正しそうに見える。しかし、同時には選べない。だからこそ、判断が問われます。
では、どうすれば、あなたのCRMは変わるのでしょうか。戦国武将たちは、何を見て、何を捨て、どの瞬間に決断していたのか。その違いを、対戦というかたちで見ていきます。

 

同じ課題でも、選び方が違えば、結果はまったく変わります。あなたは、どの戦い方を選びますか。